PTAってどうして生まれたの?PTAの歴史を調べてみました

PTAをたすけるPTA'S(ピータス)_PTAの歴史

 

公立私立を問わず、全国のほとんどの学校に、PTAが設置されています。
しかし、加入している方でも、PTAがいつ、なぜ生まれたのか、ご存じの方は少ないかもしれません。
この記事では、PTAがいつ、何のために生まれたのか解説しています。
後半では、現在のPTAが抱える問題点や課題、負担を軽減するための方法もご紹介しています。

 

PTAとは

PTAは、Parent(親) – Teacher(教師) – Association(組織)の略語です。日本語訳は「父母と先生の会」。

昭和42年(1967)6月、社会教育審議会は「父母と先生の会のあり方について」という報告の中で、PTAを次のように規定しました。

「父母と先生の会(PTA)は、児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校及び家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域のおける教育環境の改善、充実をはかるため会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である。」
※引用:「公益社団法人 日本PTA全国協議会HP」

PTAは公的な機関ではなく、学校組織から独立しています。
保護者と教師の間で自主的につくられている組織で、両者の立場は対等です。

具体的な活動内容や進め方は組織によって異なりますが、子どもの健やかな成長を目的として活動していることは共通しています。

 

日本には戦前「母の会」があった

今のPTAの前身ともいえる「母の会」が、戦前の日本にはありました。どのような組織なのかを簡単にご紹介します。

母の会とは何?

母の会とは、子どもの母親の修養と教育活動への奉仕のためにつくられた組織です。
内容は、毎月の例会、親子連れ遠足、学校行事に参加(運動会、遠足)、学校課外指導部の援助(理科部や図書部、音楽部など)など。
国防献金や陸軍病院の慰問など、戦時色の強い活動もありましたが、現在のPTA活動と共通している内容が数多くあります。

母の会はいつできたのか

1920年代から、「母の会」や「母姉会」が各地で組織されました。
小学校の授業料が無償化されたのは1900年(明治33年)。就学率が95%を超えたのは1905年です。
母の会が生まれ始めたのは、子どもが小学校に通うのが当たり前になった少し後、と言えます。
※出典:文部科学省「2.義務教育年限・就学率」(2017年) 

1939年には、文部省 は「家庭教育の振興と小学校母の会の活用に就(つい)て 」というパンフレットを発行しました。
※出典:株式会社青弓社岩竹美加子著『PTAという国家装置』p98(2017年)

このような活動を通して文部省は母の会の設置を推奨しましたが、全国の国民学校に母の会があったわけではありません。取り組みも、学校によってばらつきがありました。

保護者組織が全国的に広まったのは、戦後GHQによりPTAという名前が広まってからです。

 

PTAの発祥は19世紀アメリカ

PTAが発祥したのは19世紀末のアメリカです。アリス・マクレラン・バーニーさんとフィービー・アパーソン・ハーストさんが、ワシントンD.C.で「全米母親議会」を開いたことから始まりました。

アメリカで生まれたPTAの目的

子どもたちが、幸せなよりよい境遇で暮らせる世界を作ることが「全米母親議会」の目的でした。この活動には父親(ついや教師、政治家を含めた多くの人たちが賛同したため「全米保護者教師議会」と名前を変え、さらに「全米PTA団体」と発展していったのです。

 

戦後、GHQによってPTAが日本に普及した

戦後日本の民主的改革の一環として、GHQは日本にPTAの普及を進めました。文部省の後押しもあり、母の会に変わって、ほとんどの学校にPTAが設立されるようになりました。

 

現在の日本のPTAにまつわる諸問題

母の会も、PTAも、子どもにとってよりよい環境や教育を提供しようとする目的で生まれましたが、現在の保護者の生活スタイルと合わない部分があり、色々な問題を抱えています。

共働きの家庭が増え、運営が困難に

専業主婦が当たり前だった戦前、戦後直後とは違い、今は共働きの家庭がほとんどです。核家族化も進んでいます。PTAの集まりは平日に行われることもあり、そうなると保護者が働いている場合、わざわざ休みを取らなければいけません。参観日や発表会、懇談会など、平日に行われる行事も多くある中で、さらにPTA活動のために休みを取るのは大変です。

全員参加が当たり前とされる雰囲気

実際には、PTAへの参加は任意です。
※関連記事:PTA、入る?入らない?”PTAの任意加入”について、弁護士さんに聞いてみました。(入会届・非入会届・退会届ひな形ダウンロード有)

しかし、全員参加が当たり前と思われている雰囲気の中、加入しないという選択をするのは困難。入らないことによる不利益(人間関係の悪化や情報が得られないことなど)を考慮して加入している保護者や、そもそも加入しないという選択肢を知らずに入っている保護者も多くいます。

PTAの加入をめぐって裁判になったことも

過去には、PTAの加入をめぐって裁判になったこともあります。
2014年、同意書や契約書なしに強制加入させられ、退会届も受理されなかったことで、保護者がPTAを相手に裁判をおこしたのです。
この裁判では、「PTAは任意加入である」ことが確認され、原告の保護者とPTAは和解しています。
※参考:【PTAと学校問題を考える会】熊本PTA裁判を支援したオフィシャルブログ

 

保護者の取り組みやコロナ禍を経て、PTAは変わろうとしている

PTAにまつわる諸問題としてネガティブなことを多く挙げてしまいましたが、PTAは変わろうとしています。

PTAの役割は、学校と家庭の架け橋です。
行政に保護者の意見を伝えられるのもPTAですし、保護者と教師の交流、情報交換ができるのもPTAです。

一方で、さまざまな家庭がある中、一律平等に参加を強いれば問題が起きることも明らか。PTAの機能を無理なく発揮できるように、今さまざまな取り組みがなされています。

保護者の負担軽減が考えられるように

新型コロナウィルスの影響で、学校教育もPTA活動も一時止まり、必要なことと、削減できることが見えてきました。
オンライン化や、活動内容の見直しなどがなされています。
子どもの在学中に1度は役員を行わなければならない、という取り決めをやめて、ボランティア制や手上げ制に、という取り組みもあります。

 

まとめ

戦前にも保護者組織はありましたが、民主化の一環としてGHQと文部省が推奨したことで、PTAが全国に広まりました。
しかし、PTAが発足した当時と現在では保護者の生活のあり方が全く異なります。

PTAの加入問題や、コロナ禍による活動の停止を経て、活動内容の大幅な改善、オンライン化、業務のアウトソースなど。
PTAが適切健全に運営されて、子どもたちがよりよく育つサポートができるように、PTAは変わろうとしているのです。

PTA専用支援サービス、PTA’S でできること

当サイト、PTA’sはPTA専用の支援サービスです。

例えば、PTAが担っている業務を、保護者にしかできない「活動」と、保護者でなくてもいい、むしろプロにアウトソーシングした方が質が上がり安定化する「作業」とに分け、保護者の限られた時間と労力を適切に配分することは、保護者の負担軽減に繋がります。
他にも、PTAならではの課題や困り事を、PTA向けのオリジナルサービスで解決することが可能です。

事例をいくつかご紹介します。

事例①:旗当番シフト作成ツール
1600人を超えるマンモス校の旗当番、リクエストにこたえられる「旗当番シフト作成ツール」で、50家庭以上の希望にまとめて対応できた!保護者の負担も、シフト作成の負担も軽減
https://ptas.site/case-hata-shift/

事例②:安全マップのデザイン
見やすさが大事な、安全マップ。プロのデザイナーに頼むことで、質が向上!もちろん保護者の負担も減。
https://ptas.site/case3-map/

事例③:お手紙作成や書記の代行
作成にも、校正にも時間がかかるお手紙や議事録の作成。ボランティアではなくプロに頼むことで、質も向上!
https://ptas.site/case-shokidaiko/

事例④複数の業務を一元管理
役員一覧リストや、行事カレンダー、その他必要な情報、ラインにあるのか、USBか、メール共有か、どこを見れば分かるのか分からない!そんなお悩みを解決できる、全ての情報を一元管理できる専用アプリです。議事録や行事の進行管理も簡単にできます。
https://ptas.site/case-kintone/
https://ptas.site/case-kintone2/

その他、PTA’S利用者の声(解決事例)
PTA’Sを利用された方の声や、導入事例をまとめたページです。PTAの業務をもっと楽にしたい…と考えている方は、ぜひご覧ください。
https://ptas.site/category/case/

2023年6月10日掲載

 

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