「日P全国大会」について、実行委員長に聞いてみました!

PTAをたすけるPTA'S(ピータス)_日Pの全国大会って必要?
PTAをたすけるPTA'S(ピータス)_ブログfor PTA このブログは、PTA’S運営者の増島による、PTAのためのブログです。

双子育児中に「保育士」資格、独立後「放課後児童支援員」資格を取得。
PTA副会長経験を活かし、PTAの効率化・適正化を通して、家族の時間を最大化することを目的に、PTA’S(ピータス)を運営しています。
全国のPTA役員さんや保護者のみなさんの、少しでもお役に立てれば幸いです。

毎年開催される、PTAの全国大会

一般的に、保護者が所属する、子どもが在籍する学校ごとのPTAは「単位PTA」と呼ばれます。その単位PTAが、区ごと・市ごと・県ごと等で連携する組織が、「P連」や「P協」と呼ばれます。そして日本全体のPTAを取りまとめる組織として「日P(=公益社団法人日本PTA全国協議会)」があります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

毎年夏になると、この日P主催のPTA全国大会が開催されているのをご存知ですか?

正式名称は、「日本PTA全国研究大会」で、昨年の2023年は広島県で、今年の2024年は川崎市で開催され、今回で72回。つまり、72年間続いている大会です。

ちなみに今年の大会は、主催として川崎市PTA連絡協議会が参画しているため、第72回日本PTA全国研究大会と第56回関東ブロック研究大会が併催され、来年は石川県で第73回が開催予定です。

毎回様々なテーマで、趣向を凝らした研修等が行われますが、SNSを見ると「楽しかった」「勉強になった」といった声が聞かれる一方で、「無理やり動員された」「何のために開催しているのか分からない」「会費の無駄遣い」といった意見が見られるのも事実です。

そこで、今回の第72回日本PTA全国研究大会/第56回関東ブロック研究大会の実行委員会の皆さんに、色々と質問してみました。

 

こんな質問をしてみました!

今回、質問にお答えいただいたのは、第72回日本PTA全国研究大会/第56回関東ブロック研究大会の実行委員長を務める、浦山さんです。

PTAをたすけるPTA'S(ピータス)_日Pの全国大会って必要?
第72回日本PTA全国研究大会川崎大会・第56回関東ブロック研究大会川崎大会
実行委員長 浦山利博さん

Q1.そもそも全国大会って、何のために開催するのでしょうか?

A. 家庭教育やPTA活動の資質向上に役立つ、最大で最重要な事業なんです。

公益社団法人日本PTA全国協議会(以下、日P)は、法人の目的を定款(※)の第3条に以下のように定めています。
(※)https://www.nippon-pta.or.jp/files/original/20230728155349281549ae860.pdf

この法人は、教育を本旨とし、特定の政党や宗教に偏ることなく、小学校及び中学校におけるPTA活動を通して、日本における社会教育、家庭教育の充実に努めるとともに、家庭、学校、地域の連携を深め、児童・生徒の健全育成と福祉の増進を図り、社会の発展に寄与することを目的とする。

この目的を達成するための事業を、第4条に以下のように定めています。

この法人は、前条の目的を達成するため、教育を本旨とする民主的団体として、目的を同じくする他の団体及び機関の活動に協力することを基本方針とし、次の事業を行う。

(1)社会教育、家庭教育及びPTA活動の資質向上に資する研究大会、講演会、研修会等の開催及び調査研究
(2)青少年の健全育成及び福祉増進に資する情報資料の収集及び提供、広報活動
(3)青少年の国内交流及び国際交流
(4)機関紙並びに社会教育、家庭教育及びPTA活動に関する図書・資料の刊行
(5)この法人の目的に沿い顕著な業績を上げたPTAその他の団体及び個人の顕彰
(6)教育関係の支援を必要とする子どもたちのための助成
(7)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

日Pの全国研究大会は、(1)に位置づけられている、最大で最重要な事業なんです。

 

最大で最重要な事業!!それは知りませんでした💦
だから毎年とても盛大で、多くの人が携わっているんですね👀
ちなみに、

Q2.毎年の幹事県(市町村)は、どうやって決まるのでしょうか?

A. 持ち回りです。ただ、ずっと同じことをやり続けるのではなく、時代を見通した改革・改善を促進しています

日Pは現在、63の都道府県・政令市の地方協議会(以下、協議会)から構成され、会員総数7百万人を超える国内最大の教育関係団体です。目的に沿って、協議会と連携し、国の教育政策への提言や、その解説・周知を行っています。なので、国と保護者・教職員を繋ぐ、大切な役割を果たしているんです。

協議会は、地方で9つのブロックに分割し、ブロック協議会を構成しています。全国大会の幹事となる協議会は、このブロックの持ち回り、および、当該ブロック内での持ち回りで、10年ほど前から順番を決めています。そのため、同じ協議会に幹事が回ってくるには数十年を要します。

ただ、ずっと同じことをやり続けるのではなく、常にアップデートする必要があると思っています。なので、当年度前後の幹事協議会実行委員長による全国大会推進委員会(以下、推進委員会)を構成して、計画・準備・実施・引継ぎ等のノウハウ継承と時代を見通した改革・改善を促進しています。

ちなみに、今回の川崎大会の委員会には、R4年度の山形県、R5年度の広島県、R6年度の川崎市、R7年度の石川県、R8年度の奈良県、R9年度の熊本市、R10年度の福島県の実行委員長(またはその予定者)が参加し、様々な角度から意見交換などを行っています。

 

そんなに長い間準備をしているとは!!!
だからこそ、反省も活かすことができるのかもしれないですね😊
でも、正直大変そうです、、、

Q3.具体的に、幹事県(市町村)は何をするのでしょうか?

A. たしかに、事前・本番・事後と、大きな負荷がかかります。けれど、負担で心身を消耗するのではなく、ポジティブなエネルギーを走りながら得られるように、という発想で進めています。

幹事協議会は、概ね以下のようなことを行います。
推進委員会で内容を揉み、日Pの会長・専務・常務等からなる三役会と、ブロック推薦理事等からなる理事会に諮り、承認を得て実行されます。
効率化や質の担保のために、プロでないと出来ない工程については、業者に委託する場合もあります。

・実行委員会の構成
・大会趣旨・スローガン・メインテーマの策定
・開催日時・場所の選定
・内容等の企画・計画・予算策定、講師等の人選
・案内や広報、参加申込受付
・会場設営・進行準備
・開催と運営
・実施報告書等の作成と次開催地への引継ぎ
・決算書作成と監査受査
・実行委員会の解散

川崎大会では、開催年度が市制100周年の節目でもあることから、市長以下教育委員会等関係部署、学校や教職員組合、市議会、地域の教育関係団体等に、大きな支援や協力をいただいています。
今回、今までとは違う、全く新しい【一会場開催・一カリキュラム】を通じて、学びを共有するだけでなく、参加者個々がアクションプランを立て生活に落とし込むことを、大会の目標とし、宣言しています。

詳細は、是非以下のURLからご覧ください。
https://www.pta-kawasaki.org/ 
https://www.nippon-pta.or.jp/

川崎大会のホームページは、事前・本番・事後の時間軸で随時更新し、従来のような一過性的のイベントにとどまらないことを目指しています。

特に事前期間の準備は、一般に実行委員の皆さんに大きな負荷がかかります。物理的な負担はプロの手を借りたりもしていますが、心理的な負担に関しては、実行委員の皆さんが”熱心取り組める”ことを大切にしています。例えば、川崎市Pと連携した、実行委員による空撮やPR動画制作、サマーフェスや地域巻き込み型新食育事業など、それらを通じて、”川崎大会をより広く・深く知ってもらえる”ような取組みを行っています。

負担で心身を消耗するのではなく、想いを具現化出来るから!楽しいから!、そんなポジティブなエネルギーを走りながら得られるように、という発想で進めています。

 

”ポジティブなエネルギーを走りながら得る”って素敵ですね✨
何だかワクワクしてきました😊

Q4.今回は、どんなイベントになるのでしょうか?例年の全国大会と、何が違うのでしょうか?

A. これまでと違い、一会場1カリキュラムで、全参加者が学んで共有し合える大会を目指しています。今後の全国大会に、少なからず影響を与える大会になると思います

従来の全国大会は、広大な土地や施設のある県で開催されていました。1日目は、午後から10前後の市区町村に分かれて分科会を開催し、2日目は、午前に大きな会場に集まり、記念講演や次大会開催地への引継ぎと、大会宣言を行う形が標準的でした。記念講演は全国大会の趣旨と無関係であってもよく、”全国大会に参加した記念に有識者のお話を伺う”という位置付けでした。
分科会の会場間にはかなりの距離があり、同時間帯での開催のため、それぞれに運営体制が必要でした。分科会ごとに、行事・アトラクション・講演・事例発表・パネルディスカッション・閉会行事等が行われ、独立した進行となってしまいます。例えば、参加者全員に知って欲しい・聞いて欲しい日Pや文科省からの発信等も、分科会が異なるため同時参加は不可能でした。結果、少ない人数にしか視聴してもらうことができず、広がりも小さくなってしまいます。

何故、このようなコスト高で、やや不合理な形態となっているのか。それは、広大な幹事県等に、大きな移動時間を要して全国から集まるという、物理的な都合への対処策だったのでしょう。
そこで今回の川崎大会では、1日目も2日目もコンパクトに一会場のみでの開催としました。テーマも、「ウェルビーイング」を軸としたカリキュラムに統一しました。「ウェルビーイング」というテーマを、1日目は社会的な視点から、2日目は家庭や地域の視点から、全参加者が学んで共有し合えるよう工夫しています。記念講演も、参加者のその後のアクションに役立つよう、心と背中を押す内容としました。参加者それぞれが各協議会に持ち帰って、これからのPTA活動に活かしてもらえればと思っています。

川崎大会の全コンテンツが開催される会場は、川崎ブレーブサンダースのホームコートであるとどろきアリーナです。中央4面の大画面や270度のリボンビジョン、北面の大画面をフル活用し、ビジュアルで分かり易い演出を行います。さらに、全国大会らしく、ステージを中央に据え、360度全方位に向かって発信と受信が可能です。登壇・講演くださる方々も、今からワクワクしておられます。

土地はとても狭いですが、大きな会場を持つ政令市川崎らしく、大きな発想の転換に踏み切りました。これには全国の協議会からの期待も大きく、今後の全国大会の在り方に、少なからず影響を与えることでしょう。

 

イメージと全然違って、楽しそうですね!!!
でも、、、

Q5.全国大会の前後になると、毎年必ずSNSにネガティブな書き込みが増えますよね…どう思いますか?

PTAをたすけるPTA'S(ピータス)_日Pの全国大会って必要?ある人が興味深いことを言っていました。

「富士山のふもとにいるときは、みんなはワーワーと言いますが、登り始めると文句を言う人は少なくなり、さらに登ると頂上を目指す人だけになります」と。

本当にその通りだと思います。
ネガティブな書き込みや批判をする人達も同じではないでしょうか。
私たちはただひたすら、よりよい大会の実現に向けて、PTA活動の質の向上を目指して、黙々と前進することが大切だと思っています。

 

なるほど😊
色々と言う人にも、実行委員の皆さんと一緒に富士山に登って欲しいと思いました笑
ところで、

Q6.誰が参加できるのでしょうか?

日P会員協議会に所属する保護者と、教育関係者の皆様です。できるだけ広く多くの方々にご参加いただき、新しい日P全国大会のあり方を見届けていただきたいと思います。

最後に、川崎市とその関係者、とどろきアリーナとブレーブサンダース、日Pと関東ブロック協議会・全国大会推進委員会の仲間達に、実行委員会一同心より感謝申し上げます。
みんな~ 川崎大会を楽しんでね~^^

 

まずは知ることから

実は、日Pの全国大会に参加したことがありません。
お恥ずかしながら、自分に参加資格があるのかどうかも、知りませんでした。
今回お話しを伺って、知らなかったことや、「なるほど」と思うことがたくさんありました。
そして何より、実行委員の皆さんの努力と熱量に圧倒されました。

「PTA」というだけでネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれませんが、知らずに批判したり、「不参加」を決めてしまうのは、もったいないかもしれないですね。

第72回日本PTA全国研究大会/第56回関東ブロック研究大会についてもっと詳しく知りたい方は、公式サイトやPR動画をご覧ください😊
公式サイトは大会のシンボルマークより、PR動画はYouTubeのアイコンよりご覧いただけます😊

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PTAをたすけるPTA'(ピータス)_PTAおたすけ研修アーカイブ動画

 

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