PTAを支援するサービスを始めて驚いたのは「PTAに入っていない家庭をどうすべきか」という相談の多さです。「非加入家庭の子どもがPTAからの記念品をもらえず、胸が痛んだ」「非加入を理由にPTA主催のイベントに参加できなかった」という声も頻繁に聞こえてきます。
「会費を払っていないのだから区別して当然」「親が加入しているかどうかは子どもに関係ない」など、さまざまな立場や視点から多くの意見が寄せられ、関心の高さがうかがえます。
PTA会費は本来、わが子のために払うのではなく、その学校に在籍する子ども全員の学校生活をサポートするために払うものです。つまり、保護者が加入しているかどうかで子どもへの対応に差をつけるのは、予算の使い方だけでなく、PTAの在り方としても適切ではありません。
例えば、本来は学校予算で賄うべきですが、PTA予算で備品を購入、補修するケースもあります。もし非加入家庭の子どもがPTA予算の恩恵を受けてはならないのであれば、その備品を使う授業に参加できないはずですが、もちろんそんなことはありません。
大人の差別的な考え方や対応は、学校内でのいじめや不登校のきっかけになる可能性さえあります。子どもたちの学校生活を楽しく充実したものにするためのPTAが、これでは本末転倒です。
PTAは、個々の自治が尊重され、子どもたちに対する保護者の思いをベースに、フレキシブルに運営できる団体です。だからこそ、異なる価値観や意見が出て判断に悩んだ時は、その学校に通う子どもみんなの気持ちや、与える影響を第一に考えてほしいと思います。
PTA専用支援サービス「ピータス」代表
PTAコラム『進もう!PTA』は、共同通信さんからのお声がけで、2024年1月から全国各地の地方新聞で掲載いただいた全12回のコラムです。
詳しくは、こちらをご覧ください☺
『進もう!PTA』その他の回は、こちらからお読みいただけます👀