私のもとにはよく、PTAの役員から「○○してもいいのでしょうか?」という問い合わせが入ります。そのたびに規約を確認するのですが、記載そのものがなかったり、驚くような内容だったり、実にさまざまです。
例えばあるPTAの規約には「会長は男性」と明記されていると聞きました。メンバーはおかしいと感じながらも、男性会長を選出していたそうです。また、役職ごとに性別や人数が決まっているPTAもありました。そもそも任意加入なので、規約通り集めるのに苦労したとのことです。
もちろん規約は重要ですが、変えてはいけないものではありません。むしろ時代や社会の変化に合わせて、柔軟に変えていく必要があります。
規約を改定するには総会で承認を得なければいけませんが、コロナ禍以降はオンライン総会が普及し、審議事項の周知や議決の集計が簡単でスピーディーになりました。もし、どのように変えていいのか分からなければ、環境が似た近隣校や、規約を公開しているPTAが参考になるでしょう。
一方、役員のOBやOGによる承認や、事情を考慮せず役割を均等に割り振るためだけのポイント制など、規約にはないのに長年続いている慣習は困りものです。前例踏襲ゆえの安心感もありますが、同時に強制感や、やらねばならないという義務感も伴うからです。
規約の順守や慣習に縛られ過ぎると、PTAの目的が組織の運営や維持になってしまい、楽しくないばかりか、賛同も得られません。まずはPTA本来の目的や今どうあるべきかを話し合い、規約は柔軟に変え、慣習は放置せず、アップデートしていく必要があるのではないでしょうか。
PTA専用支援サービス「ピータス」代表
PTAコラム『進もう!PTA』は、共同通信さんからのお声がけで、2024年1月から全国各地の地方新聞で掲載いただいた全12回のコラムです。
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