PTAの備品を個人のクレジットカードで立替購入した時の「ポイント」って、購入した人のもの?

PTAをたすけるPTA'S(ピータス)調べて欲しい教えて欲しい_クレジットカードのポイント

PTAで備品を購入する際、個人がその費用を一時的に立て替えることは少なくないでしょう。

しかし、例えばECサイトや店舗でクレジットカードで購入した時に付いたポイントは、立替えた人がそのままもらっていいのでしょうか?

弁護士に話を聞いてみました。

 

PTAの備品を個人が立て替えて買った時のポイント、個人がそのままもらっても大丈夫?

まずPTAについては、法人税法上の「人格のない社団等」に該当するため、収益事業を営む場合を除いて、その会計処理を具体的に規制する法律等は存在しません。

PTAの会計処理については、こちらの記事も参照ください。

その上で、ポイントの取り扱いを税理士に聞くと、次のような回答がありました。

「税法上の処理に従うのであれば、立て替え購入した者が雑所得として申告する必要があります。」

 

一方、PTAとの関係では、特定の個人にポイントを提供することになるため、コンプライアンス(社会倫理)上問題視される可能性があります。

保護者へ説明できるように、それぞれのPTAが独自のルールなどを決めて、常にそのルールに基づいて運用するのがよいでしょう。

つまり、

● 会員の総意で運用されているのであれば、ポイントをもらうこと自体に法的な問題はない。

● ただし、会計の適正化と、PTA会費を使用した分のポイントがPTA会員個人(=保護者)に付与されることのコンプライアンス(社会倫理)上の観点から、PTAのルールを決めておくことが大切

● 税務上は、雑所得として申告が必要 ※ただし、20万円分に満たない場合は申告不要。(確定申告する場合は、20万円未満でも必要)

となります。

 

PTAの現場での対応策

では実際のPTAの現場では、ポイントの取り扱いについて、どのような対応策があり得るのでしょうか?

 

1:購入した備品や、購入した人によって、対応にバラつきが出ないよう、PTAの内規などで定める

「ポイントを付与された人は雑所得として申告が必要」とはいえ、なかなか20万円分を超えるポイントが付与されることは稀ですし、“20万円以下ならOK”というのも、PTAの性質上、保護者の理解を得るのは難しいと思われます。

且つ、PTAは任意団体であることから、会計処理について特に規制する法律等もないため、コンプライアンス(社会倫理)上の問題や、保護者への説明を見据え、以下のようにPTAの内規等でルールを決めておくのはいかがでしょうか。

例えば、

● PTAの備品を個人のカードで購入した場合、買い物時の明細やレシートなどを提出してもらい、個人へのポイント付与の妥当性(不可避性)を記録し、可視化する

● 1人あたりのポイント付与額の上限や、保護者への報告の目安(●●ポイントを超えたら保護者に報告する等)を定めることで、個人へのポイント付与の偏りを防止する

 

2:PTAとして登録可能なECサイト等で買い物する

そもそも、個人にポイントが付与されないように、個人ではなく「PTAとして」登録できるECサイトなどを利用するという手もあります。

そうすることで、いつ・何を・PTA用として、購入したかが、明確にできます。

但し、PTAとして登録できても、個人のカードで決済してしまっては、個人にポイントが付与されてしまいます。

 

3:PTA用のクレジットカードを作成する

以上を踏まえると、そもそもポイントが付与されるクレジットカードは使わない方がいいのではないか、という意見もあるかと思います。

ただ、もしPTA用のクレジットカードを作ることができれば、買い物に伴うポイントはPTAに付与されるため、コンプライアンス(社会倫理)上も税務上も問題はなくなります。

更に、

①買い物の都度の現金立て替え精算や銀行入金を行わずに済むため、大幅に労力が削減できる。

②利用明細をダウンロードでき、PTA役員全員で出入金管理ができるため、不正利用を防止できる。

③役員の個人名義で契約していた各種サービスを、PTA名義で契約ができる。

④クレジットカード決済の、zoom等オンラインサービスの導入が可能となる。

といった、多くのメリットが挙げられます。

 

とはいえ、「PTAでクレジットカードって作れないんだよね・・・」と諦めている声をたくさん聞きます。

そこでPTA’Sでは、実際のPTAでの活用や申込みに不安を抱くPTAのために、下記の通りPTAのクレジットカード導入サポート【PTA’Sでクレカ】活用セミナーを開催いたします。

● 日 時:第1回:11月20日(土)20:00~/第2回:12月11日(土)20:00~

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● 参加費:無料

● 内 容:

①PTAがクレジットカードを持つメリットについて

②PTA活動におけるクレジットカードの活用事例

③PTAクレジットカードの作り方(プロセス)

④PTAクレジットカードを作る時のポイントと留意点

⑤質疑応答

● 申込み
・第1回:https://ptas-creditcard-20211120.peatix.com/

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PTAとしてクレジットカードを作成することで、会計上もコンプライアンス(社会倫理)上も適正化が図れ、業務の効率化とオンライン化の後押しにも繋がります。

これを機に、PTAのクレジットカード導入を検討されてはいかがでしょうか。

2021年11月14日掲載

 

「調べて欲しい教えて欲しい」のこれまでの解答一覧はこちら

※尚本解答は、弁護士からのアドバイスに基づいて作成しています。

状況によって異なる旨、PTA’Sの利用規約(https://ptas.site/terms/)に則って提供する旨をご理解の上、ご活用ください。