年度末に向けて、どのPTAでも来年度の予算編成と決算に追われますよね💦
決算・・・と言われても、何をどこまで厳密にやればいいのか、どこからどこまでがローカルルールなのか、ホントよくわかりません💦💦
ということで今回のテーマはこちら👇
PTAの会計処理にまつわる???
神奈川県の小学校でPTA役員を務めていらっしゃる方から寄せられた、「PTAの会計処理にまつわる???」の4つの疑問・質問にお答えいたします!
まず、、、
そもそもPTAは、税法上、「人格のない社団等」に含まれ(下図参照)、(収益事業を行っていない場合)PTAの会計を個別具体的に規制するルール(法律)は存在しません。従って、実務の現場では会計処理においては、その「人格のない社団等」を構成するメンバー(PTAの場合は、主に保護者)の多くに、納得いただけるか否かを判断基準にされていることが多いようです。
ただし、仕分けの方法や保存期間等、既にPTAの規約等に定められている場合は、それに則るのが妥当です。
PTAが税務署に対し申告義務があるのは、「収益事業から生じた所得についてのみ」です。
PTAの主な原資は各家庭からのPTA会費になりますが、この「会費」は収益事業の範囲には当たらないため、通常申告の義務はありません。
以上を踏まえて、、、
①PTA名義でポイントカードを作り、そのポイントでパソコン等備品を購入した場合、このポイントは会計上どのように処理すればよいか?
→税法上は、ポイントを使用した際に、雑収益として処理をします。
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例/10,000円のものを1,000ポイント使って、9,000円支払って消耗品を購入した場合、
(借)消耗品費10,000円/(貸)現預金 9,000円
(貸)雑収益 1,000円
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となります。
ただし、先述の通り、PTAは税法上、「人格のない社団等」に含まれ、会計を規制するルール(法律)が存在しないため、
(借)消耗品費 9,000円/(貸)現預金 9,000円
と処理しても、実務上弊害はありません。
②出入金管理に関して、現状紙と会計ソフトの両方を使っているが、会計ソフトに一本化することに何か問題はあるか
→特に問題はありません。ただし、原始証憑(レシート等の原本)は取っておいた方が無難です。
③出入金処理について、細かなルールがあるが、PTAはどこまで細かな出入金管理をすればよいのか
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例/本部の通信費2000円×10人を支払う為に、20,000を銀行からおろして支払い領収書をもらった
1.銀行で20,000おろす
2.通帳に手書きで本部通信費と書く
3.入金伝票20,000をつくる
4.出金伝票20,000をつくり、領収書を裏にはる
5.パソコンの決算書3箇所に入力
・現金のページ
・普通預金のページ
・通信費のページ
おそらく簿記を知ってる人がこの仕組みを作り
借方 貸方
現 金 20,000 普通預金 20,000
通信費20,000 現 金 20,000
という処理なのですが、ここまでやる必要あるのでしょうか?
普通預金から通信費をそのまま支払ったことにし、現金の部分を省略してもいいのでは。
・普通預金からの出金伝票を作り、領収書を貼る
・決算書の普通預金と通信費に記載
これで充分ではないかと思うのですが…
現金のページは、経理担当者が細々したものを買うために持っている手持ち現金があるから、そこから使ったものの記載のみでよいように思います。
また、例えば本部通信費20,000と正副通信費4,000×4委員を下ろしたいときは
それぞれ記帳するため、5回おろすルールになっています。36,000円おろし、普通預金ページに詳細書くのでも十分に思いますが、いかがでしょうか?
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→先述の通り、PTAは税法上、「人格のない社団等」に含まれ、(特に収益事業に該当しない取引に関して)会計を規制するルール(法律)が存在しないため、会計の記録を複式簿記で残しても単式簿記で残しても問題はありません。それぞれの特性上、複式簿記の方が後々明解ではあることは確かですが、常に簿記の知識のある人が会計を担当するとは限らないため、無理に複式簿記に則る必要もないかと思われます。
また、36,000円を銀行口座から引き出すのを複数回に分けるのも、通帳に印字で残るという意味では有益ですが、36,000円を一括でおろして通帳の該当ページにその旨手書きで記載いただいても、記録と言う意味では同等ですので、特に問題はありません。
④PTAから有償でお願いしているアルバイトの方(年額最大40万程度)に、現状源泉徴収票を渡していないが、今後渡した方がよいのか。渡した方がよい場合、その理由は何か。
→アルバイトの方の確定申告に必要な情報のため、本来、渡す必要があります。
アルバイトの方の場合、実務上特に必要とされずに源泉徴収票を渡さないケースもあるようですが、法律上は、PTA側に渡す義務がありますので、注意が必要です。
2020年11月29日掲載
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※尚本解答は、税理士からのアドバイスに基づいて作成しています。
状況によって異なる旨、PTA’Sの利用規約(https://ptas.site/terms/)に則って提供する旨をご理解の上、ご活用ください。