意外と多い、「謝礼」等に関する質問や相談
PTAは、「Parent-Teacher Association」の略で、保護者と先生による任意のボランティア団体です。にもかかわらず、役員や委員会への謝礼について、度々以下のような質問をいただきます。
「PTA会費から役員や委員会のメンバーに謝礼を払うことはOKなのでしょうか?」
また、
「PTAの事務作業をする人を雇用したいのですが、時給や月給など、PTA会費から給料をお支払いしてもいいのでしょうか?」
といった、「給与支払い」についてのご相談もいただきます。
そもそも、PTA会費から「謝礼」や「給与」を支払うことはアリなのでしょうか?アリだとしたら、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?弁護士の先生に聞いてみました👂
「謝礼」を支払う際の留意事項
謝礼を支払うこと自体に、特に問題はありません。ただ、利益相反には念のため気をつけたほうがいいでしょう。つまり、役員が、自らに(または自ら以外の役員に)自由に謝礼を支払うことができるとなると、慣れ合いの中で、役員がPTAのお金を謝礼として自由に引き出せることになってしまいます。
そこでPTAでも、一般の法人同様に、利益相反取引を実施する際の手続きを行うことで、公平性や透明性が担保され、安心な運営に繋がるのではないでしょうか。
つまり、自らへの謝礼を自らが支払い決定できるのではなく、例えば役員会で謝礼の支払いとその額を決めるのであれば、以下の点に留意して決める必要があるでしょう。
● どのような業務に対し、いくらの支払いをするのか等、重要な事実を開示する
● 当該謝礼の支払いを受ける役員は議決に加わらない
● 他の役員で支払うべきかどうか議決する
● 全役員が謝礼を受け取るということであれば総会で取り上げる
「謝礼」を支払う際の税務上の取り扱い(源泉徴収など)
- 対象範囲: 支払う謝礼は、名目が「車代」等であっても、実働に対する報酬や給与の実態があれば、原則として源泉徴収の対象となります。
- 物品(金券)による支給: 図書カードやクオカード等で支払った場合も、税務上は「給与」と見なされます。
- 甲欄(こうらん): 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、申告書)を提出した人に適用されます。
- 乙欄(おつらん): 他に本業があり、PTAに申告書を提出しない人に適用されます。
- 丙欄(へいらん): いわゆる「日雇労働者」に適用されます(※継続的な役割を担う理事や役員に適用できるかは、税務上の判断が分かれます)。
- 申告書の提出がある場合: 甲欄で控除。月の支給額が88,000円未満であれば、源泉徴収は不要。
- 申告書の提出がない場合: 乙欄で控除。金額にかかわらず、支給額に対して一定の源泉徴収が必要。
「PTA活動 謝礼支払に関する契約書」のひな形をダウンロードいただけます
「謝礼」を支払う際の留意事項に加えて、更に契約書を取り交わしておくと、より安心かもしれません。
実は、「役員初年度は年間3,000円支給されましたが、2期目はメンバーと話し合って、『お金が欲しくてやってるわけではないよね』ということになり、謝礼を廃止しました」というPTAさんもあります。
このように、役員や委員会への謝礼支払いにあたっては、公平性や透明性ももちろん大切ですが、よく話し合って合意形成することがとても重要です。役員や委員会含め、会費を支払っている全ての保護者が納得できるようにするために、本記事と上記のひな形を活用いただきつつ、円滑で安心な運営にお役立てください。
※上記書類は、法的な効力を保証するものではありません。これを利用したことによるトラブルについては、当サイトで責任を負いかねますので、各PTAの責任のもとご利用ください。
2025年4月28日掲載
2026年3月27日加筆
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※本解答は、弁護士からのアドバイスに基づいて作成しています。
状況によって異なる旨、PTA’Sの利用規約(https://ptas.site/terms/)に則って提供する旨をご理解の上、ご活用ください。


