「PTAを解散します」「解散を検討しています」
各地のPTA会長さんとお話をしていると、こういった声をよく聞きます。
解散の理由は様々ですが、解散後、PTAの役割を担う組織や団体が一切なくなる、ということはないようです。
そこで気になるのが、「PTAの口座に会費として残っている資金をどのように処理するか」ではないでしょうか。
実際にPTAを解散し、残金処理をしたPTAの方に聞いてみました。
PTAの事情や環境によって異なる部分もあると思いますので、参考にしていただければと思います。
PTAを解散して、「保護者会」へ移行したケース
PTAを解散して、新たに「保護者会」を設立したケースでは、会費の残金は下記の点に留意して「保護者会」に移行したそうです。
●「保護者会」も組織であるため、予算についての承認を得る必要があると考えた。
●PTAから「保護者会」へ変わる際に、総会にて規約の変更及び「予算について」下記内容の承認を得た。
・保護者会に変わっても会費を徴収する
・PTA時の予算をそのまま引き継ぐ
・組織改編に伴う予算組みの変更について説明(例:記念行事向けの積立額減額、等)
●組織が変わるため、紙面上の予算は保護者会が引き継いだが、預金は1度出して、再度「保護者会」名義の銀行口座を作成した。
●保護者会移行後も、書面開催であっても総会は開催し、予算に関してきちんと報告する。
PTAを解散して、「保護者会」のような代替組織を作らないケース
PTAを解散後、「保護者会」のような新しい組織は作らず、PTAの役割を地域コーディネーターに引き継いだ例もあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
このケースでは、当初PTA会費の残金は、学校に寄付をする予定だったそうです。
ところが、「学校への寄付採納手続き」についての規定が所属の教育委員会になかったため、寄付は断念したそうです。
※一般的な寄付採納手続きについては、こちらをご確認ください。
寄付できなかった会費残金は、下記の点に留意して処理する予定だそうです。
●必要に応じて使い、その拠出の判断は、学校と地域コーディネーターに任せ、残高がゼロになった時点で終了とする。
●残金を所有しているのが誰かというのが不明になるのはよくないため、「清算人」という解散後の団体の清算を担う立場の人を選任し、清算終了まではPTAの財産であることを総会資料等に明示して、保護者の合意を得る。
●「清算人」の選任に関して弁護士に確認したところ、適切に職務を遂行する人であれば誰でも就任可能で、「適切に職務を遂行する」かどうかは当該団体の判断で構わないとのこと。
合意形成を大切に
PTAを解散する・しない、「保護者会」を立ち上げる・立ち上げない等、どのような判断であれ、「これが正しい」という答えはないと思います。
ただ、丁寧な合意形成が大切であることは間違いありません。
上記の2つの事例も、事前に保護者アンケートを取った上で、PTAの解散を決めています。
また、新しい組織に移行したり、その役割を別の誰か(または団体)に引継ぐ場合でも、会費の運用や意思決定には透明性を確保する必要があると思います。
もし、法律的な相談や判断が必要な場合は、ピータスの下記カテゴリーをご利用ください。
何よりも大切なのは、役員だけでなく、会員非会員問わず保護者も含めきちんと話し合ったか、子ども達の学校生活にどんな影響が出るか考えたか、だと思います。
\その他の「よくあるご相談」は、こちらからご覧ください/