PTAが主催することが多い学校行事の一つに「バザー」があります。各家庭から使っていない日用品などを提供してもらい、その収益は多くの場合、学校の備品を購入するといった使われ方をしています。
しかしこのバザーで出た収益に税金はかからないのでしょうか? 税理士に話を聞いてみました。
PTA主催のバザー、利益の扱いは?
PTAは、こちらの記事でも紹介した通り、法人税法上は「人格のない社団等(下図参照)」として、法人とみなされます。
つまり、収益事業を営む場合に限り、法人税の課税対象です。
では、バザーで利益が出た場合、それは「収益事業から生じる所得」に該当するのでしょうか?
「収益事業の範囲」は、法人税法2条13項に定められており、「販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう」とあります。
PTA活動の目的が、主たる事業として収益事業を行うことでないならば、年1~2回のバザー(物品販売)は「継続して事業場を設けて行われるもの」の要件に合致せず、申告納税は不要です。
ちなみに、「法人税基本通達 15-1-10(宗教法人、学校法人等の物品販売)」の中でも、下記の通り明言されています。
学校法人等が行うバザーで年1、2回開催される程度のもの(15-1-6の(2)に該当するものを除く。)は、物品販売業に該当しないものとする。
つまり、一般的なバザーは収益事業には当たらず、そこで出た利益に対して法人税が課されることもありません。しかし上記通達には「年1、2回開催される程度のもの」とありますから、仮に毎月開催している場合であれば、それが収益事業とみなされる可能性があるので、注意が必要です。
なお消費税についても、基準期間(2期前の期間)の課税売上高が1,000万円超であることが納税義務の条件なので、これも一般的なPTAの運営規模なら、申告納税は不要でしょう。
バザーの収益に税金がかかるかどうか、申告が必要かどうか、なんとなく気になりながらも放置していたPTAは多いのではないでしょうか。
この記事で、スッキリ安心して、子どもたちとバザーを楽しんでください。
2021年6月11日掲載
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※尚本解答は、税理士からのアドバイスに基づいて作成しています。
状況によって異なる旨、PTA’Sの利用規約(https://ptas.site/terms/)に則って提供する旨をご理解の上、ご活用ください。